地方都市の夕景

音楽と写真

不完全さを写す

ピントが合っていなくても、ブレていても、背景に他人が写り込んでしまっていても、そんなことは関係ないのかもしれない。咲いてる花が満開でなくても関係ない。人生とは上手くいくことばかりじゃないから、そういった不完全さをも含めて写真にしてしまえば良いのではないかと最近思う。
普通の人が、生きて、生活をして、働いて、たまに遊んで、上手くいったり、上手くいかなかったり、喜んだり、悲しんだり、病気になったり、死んだりする。そういった所に寄り添った写真が撮れれば良いと思う。自分とあまりにかけ離れた世界の写真というのは共感しづらいし、つまらないと僕は思うから。極端なのだと、世界の絶景とか。作品です!みたいなバキバキ系のポートレートも。


最近広角レンズを導入した(写真1枚目)。1枚目(16mm)と2枚目(55mm)は恐らく同じくらいの距離から撮っているのだけれど、広角と標準とだと世界があまりに違い過ぎる。これはこれで新鮮な視点だから撮っていて楽しいのだけれど、使いどころを考えずに無闇に使うと、散漫な印象のつまらない写真になりがち。F4だというせいもあるけれど、広角レンズはあまりボケないから、背景にかなり気を遣わなくてはならない。背景だけでも風景写真として成立するようなところに、ポツンと人を配置するのが良いらしい。人間を撮る時は、顔を真ん中に持ってこないとグニャッと大きく歪んでしまう。覚書。

広角レンズは基本的に、人を撮るにはあまり向いてない(と言われている)。歪みが出るとかも大きな理由の一つだけれど、それ以上に、インスタも、そしてこのブログでさえ、殆どの人はスマホの小さい画面でしか見ないだろうから、広角レンズで撮った写真だと人物が小さくなり過ぎて、何を撮りたかったのか狙いがよく分からない散漫な写真になってしまう(という印象を持たれてしまう)から、というのも大きな理由の一つではないかと思う。引き伸ばして印刷でもすれば、全然印象が違うのだが。しかし、奥行き感や立体感のある、広角レンズの特徴を活かしたダイナミックなポートレートというのもあるから、使いこなせるようになりたい(そのために買った)。

広角を使って初めて気付いたことだけれど、広角を使っているように見えても、実は標準レンズで離れたところから撮っているだけ、という写真が割と多い。パースの出方が全然違うから一目瞭然。逆に広角を使って撮っている写真というのも一目で分かるようになった。


やはり標準画角のレンズ、50mmくらいが一番使いやすい(実際に使っているのは55mmだけど)。室内とか後ろに下がれない時は35mm。35mmでも狭い時には16〜35mmの広角ズーム、といった具合に、レンズ3本で運用していく。必要性と使い所がちゃんと分かっていれば、沼には嵌らない。まぁ色々と遠回りはしてきたのだけれど。